整体・カイロ・マッサージの治療をさせていただいていると、患者様から「免疫を高める為にはどうすればいいのでしょう?」という質問を受けます。
免疫とは、文字通り「疫(すなわち病気)を免れる」という意味で、私たちの身体はこの免疫のおかげで様々な病気から守られています。
さて、世の中には、浴びるように酒を飲み、生活習慣病に良くないとされる肉や乳製品など、あぶらっこい料理をたくさん食べ、ほとんど運動もせず、それでも健康で長生きする人がいます(実際、整体・カイロ・マッサージにいらっしゃる方にもです)。
一方で、規則正しい生活をし、ウォーキングをしたり、有機農法で育てた野菜や果物を食べ、健康に人一倍注意しながらも、がんを患ったたり、早死にする人もいます。
この違いはどこからくるのでしょうか。
健康で長生きする人は、無理に健康法を実行してるのではなく、知らず知らずのうちに免疫力を高める生活習慣を持っているのです。
そのひとつが睡眠です。良質な眠りは免疫力を高めます。
日本人の5人に1人が不眠や目覚めがすっきりしないなど、眠りの問題を抱えていると言われてます。
高血圧、糖尿病、高脂血症など、現代人に多い生活習慣病は眠りと深い関係があることもわかっています。生活習慣病の予防や治療のためにも、良質な眠りを得ることは非常に大切なのです。
睡眠には、浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠があります。この2つの眠りが約90分間隔で交互に繰り返されています。
ところで良質な睡眠とは、どんな睡眠でしょうか。
理想の睡眠時間として、1日8時間がよく言われますが、この数字に医学的根拠はありません。
統計から出された平均的な睡眠時間に過ぎません。睡眠時間には、個人差があり10時間以上の睡眠が必要な人もいれば、3~4時間でも充分な人もいます。
ただ、寝不足が続くと免疫力が低下し、病気につながっていきます。3時間睡眠で有名なナポレオンが52歳の若さでがんで死んでいる(砒素による毒殺説もあります)のも、睡眠不足による免疫力の低下が一因ともいえるのではないでしょうか。
一方で、寝すぎも心臓には悪いというデータもあります。
長時間睡眠の人も短時間睡眠の人もノンレム睡眠の時間は変わらないという報告もあります。
要は、良質な眠りとは時間ではなく、朝、目覚めたときにぐっすり眠れたという充足感があるかどうか。すなわち、すぐ眠れる、ぐっすり眠れる、すっきり目覚める。
この3つではないでしょうか。
免疫力が高まるのも、ノンレム睡眠のときです。睡眠により免疫力を高めるには、深い眠りつくことが必要です。
自律神経は、「緊張の神経」と言われる交感神経と「リラックスの神経」と言われる副交感神経から成り立っていますが、このバランスが崩れると免疫細胞の活力が低下し、免疫力が低下します。ストレスを感じると、交感神経が緊張して、これが長く続くと免疫力が低下するのです。整体・カイロ・マッサージでこのバランスを保ちやすくできます。
睡眠中は、交感神経の緊張がとれ、副交感神経が働きリラックスしてきます。そうすると、免疫細胞であるヘルパーT細胞やNK細胞の働きが活発になり、免疫力が高まるのです。
風邪をひいたり、発熱したりすると眠くなるのも、免疫力を高めるため身体のメカニズムなのです。
すこやかケアー(整体・カイロ・マッサージ・気功)