「右利きだから右の腰が痛くなったんですね」
整体・カイロ・マッサージの患者様から、よく質問されます。五十肩で腕が上がらないときにも同じようなことを言われます。もちろんこんなセリフを言われるのは右利きの方が右側を痛めたときだけ。

これが真実だとしたら右利きの方は左腰が痛くなることはないわけです。もちろんそんなことはありません。実際昔、私が激しい腰痛に見舞われたとき左側でした。しかし私は右利き。

実際には利き腕だったり利き足だったりすることでそちら側だけが痛くなることはまれです。野球の投手のように利き腕だけを酷使すればそちらが痛くなるのは当然ですが日常生活ではそこまで偏った使い方はあまりないでしょう。

右利きだから右ばかりを使うかといえばそうでもありません。包丁でものを切るとき、左手を後ろにやれば右腕に力が入らなくなります。包丁を持って切るのは右なのですが気が付いていないだけで左手にもそれなりに力が入っているのです。たとえ動いていなくても力だけは入っています。

野球の投手でも右手(腕)だけで投げているかといえばそうではありません。左手(腕)も力が入り肘を後ろに引く動きを見せます。そうでなければ軸回転ができないからです。

利き手の関係としてはこのようなものですが我々が思っている以上に身体は多くの働きを見せます。ここであえて「働き」といったのは必ずしも「動き」とは限らないからです。例えば歩くとき右足を前に出したとします。主体的に動いているのは右足ですが左足は身体を支えるという役割を担います。

足にも「利き足」というのがありますが右が利き足の場合、左足は軸足としての仕事をします。サッカーでシュートを打つとき右足で打つ人が多いのは手と同様右利きの人が多いからです。右利きの人に左足でシュートさせてみるとたいていの場合上手くできません。

そんな選手に左足の蹴り方を指導するより軸足となる右足の使い方を意識してもらうと改善します。空手でも右利きの人は左の蹴りが弱いのですがいつも右膝を少し曲げて身体全体の動きを受けられるようにしてもらえば軸がブレにくくなり、安定するので強い蹴りができるようになります。

人の身体はよくできたもので、自分の身体が不安定になるのを嫌います。ですから軸がきちんとできていない状態だと強い蹴りができないように自ら制御して転倒を防ごうとします。もちろんこれは無意識に行われます。

ですからサッカーでも空手でも蹴り足を鍛えるのも大切なのですが軸足の使い方を意識して練習することの方が先決だと思うのです。

筋肉レベルの話でも意外と単独で動くことは少なくいくつかの筋肉が協力しあったり反発したりする中でひとつの関節が動きます。さらにもっと大きな視野でみても身体の動きは一部分だけで動くことはまれです。
動作における目的に目を奪われるとわかりにくいですが思わぬところで思わぬ部位が仕事をしていることもあるのです。

共同的、拮抗的に調整を行えば、症状は劇的に改善されます。

すこやかケアー(整体・カイロ・マッサージ・気功)

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